TeamViewer に「商用利用が検出されました」と出る理由と、その後の選択肢
数十秒でセッションが切れ、ライセンス購入を促すダイアログが出る。やっていたのは親のパソコンの修理だけ。TeamViewer 無料版ではおなじみの場面で、多くは誤検出です。ただ、ネットで出回っている対処法は、思われているほど効きません。
あのメッセージが実際に言っていること
TeamViewer 無料版のライセンスは個人利用に限られます。個人と業務を区別するため、ソフトウェアは使い方に点数をつけ、自分で結論を出します。しきい値を超えると、次の三段階のいずれかに入ります。
- 軽い警告——使えますが、セッションごとにライセンス購入を促すダイアログが出ます。
- セッションの時間制限——通常5分、短いと数十秒で自動的に切断されます。
- 完全なブロック——異議申し立てが承認されるまで接続できません。
厄介なのは、点数の付け方を誰も教えてくれないことです。TeamViewer は意図的に公開していません。公開すれば回避方法を教えることになるからです。
「商用」と判定されやすいもの
利用者の報告を総合すると、次のような信号が積み上がるようです。
- 短時間に多数の異なるマシンへ接続する——複数の顧客を支援する IT 担当者のパターン。
- 企業ドメイン名を持つマシン、または Windows ドメインに参加しているマシンへの接続。
- 法人向けレンジの IP アドレス、または複数台が一つのグローバル IP を共有している。
- 業務時間帯に毎日規則的に繰り返される長時間のセッション。
- 接続先が Windows Server、あるいは会計・POS 系のソフトを動かしている。
三つ目に注目してください。オフィスと同じネットワークを使っているだけで——あるいは過去にフラグが立った IP を割り当てられただけで——仕事と無関係でも判定されるには十分です。
出回っている対処法は、どこまで効くか
1. インストール痕跡を消して ID を変える
TeamViewer をアンインストールし、設定フォルダーとレジストリキーをいくつか削除して再インストールすると、新しい ID になります。最もよく紹介される方法ですが、数ある信号のうち一つをリセットするだけです。IP も使い方のリズムも接続先の一覧も変わらないので、数日で再び判定される例がよくあります。保存済みのマシン一覧も全部失います。
2.「個人利用」の異議申し立てを出す
本当に私的利用なら、これが公式で唯一持続する道です。利用形態を申告し直すフォームがあり、多くは通りますが待たされますし、次にまた判定されれば最初からやり直しです。
3. セッションを短くし、接続先を減らす
効果はあります。ただし、見えないアルゴリズムに合わせて自分の働き方を曲げることになります。
Chat Remote に同種の問題がない理由
Chat Remote は業務利用も含めて無料です。これはキャンペーンではなく、ソフトウェアの作り方から出てくる結果です。
画面・マウス・キーボード・ファイル・通話は、エンドツーエンド暗号化された P2P 接続で2台のあいだを直接流れます。サーバーの仕事は一つだけ、双方が互いを見つける手伝いをして、あとは脇にどくこと。画面を中継しませんし、内容を読むこともできません。利用時間に比例して増える帯域コストがないので、分数を数える理由もありません。
直接の帰結として、採点の仕組みそのものが存在しません。しきい値もアップグレードのダイアログもありません。寛大だからではなく、制限すべきものがないからです。
| TeamViewer 無料版 | Chat Remote | |
|---|---|---|
| 仕事での利用 | 不可 | 可 |
| セッションの時間制限 | あり(商用と判定後) | なし |
| 台数制限 | あり(採点による間接的な制限) | なし |
| インストール | 両側に必要 | 操作される側のみ |
| アカウント | ほとんどの機能で必要 | 操作する側だけなら不要 |
| データ経路 | 中継サーバー経由 | P2P、エンドツーエンド暗号化 |
乗り換えにかかる時間
- 自分が座っているマシン:ブラウザーでウェブ版を開く。インストールも登録も不要。
- 操作される側のマシン:アプリをダウンロードして実行。マシンコードと6桁のパスワードが表示されます。
- その2つをブラウザーに入力。以上です。
操作されている側には常に、消せない赤いバーと停止ボタンが表示されます。持ち主はワンクリックでいつでも権限を取り消せます。誰の承認もなしに自分のマシンへ入りたい場合は、両方で同じアカウントにサインインしてください。互いを自動的に認識します。